[ burial ±01 ]
めっちゃムカつく。なんで僕やないん?なんでアイツなんや。なんで僕よりも恭平なんや! 「あんま拗ねないでよ」 「拗ねてへん」 「嘘つきだな、弟くんは」 へらへら笑う慊人の顔は僕よりもガキっぽいわ。短い髪は男みたいで、ぜんぜんあかん。言葉遣いやって女みたいやないし、体だって色っぽぉない。僕の知ってるお姉さんたちのほうがいい女や。せやけどな、せやけどなぁ。 『慊人がええんや』 そう言ってしまいたい。せやけど、そんなこと言うたら、またさっきみたいにへらへら笑いながら言うんやろ? わたしは恭平さんのものだ、って。 そんなん知っとるわ。嫌っちゅうくらい。知っとるわ。 2007/08/17 [ burial ±02 ]
わたしはきっと裏切る あの子を 最初から必要としてないから当たり前のことなのかもしれない あの子はただの 身代わり あの人を色褪せさせないための わたしが愛すのは世界でただ一人 あの人だけでいい 絡める手も 分け合う体温も 噛み付くキスも ただ一人 あの人とだけで 「だからお前はもっとステキな人を愛せよお、ガク」 幼稚なキス 額に ひとつ 2007/09/01 [ burial ±03 ]
「恭平はなんであんたのこと好きなったん」 「わたしがあの人の全てを奪い取ったから」 「何奪ったん」 「全て だから取り返しに来るの恭平さんは」 「あほらし」 「わたしが奪った全てが欲しいから わたしごと奪うのよ ああ ステキ!」 「狂ってるで あんた」 「わたしだけ?」 あほらし 僕もやわ 2007/09/01 [ burial ±04 ]
行かないで恭平さん!好き好き好き 呼吸ができないくらい だからどうか手をほどかないで あなたが去っていってしまうから ああ ああ 行かないで 愛してるから もっと 愛すから もっと もっと 愛すから 2007/09/01 |